NICOLA派宣言 IIJ4U版への序文を含む
NICOLA派宣言 IIJ4U版への序文を含む IIJ4U版への序文 このテキストは、NICOLA配列をマスターするための教科書として、1992年に書いたものである。配布自由のPublic Domain Documentとして公開している。NICOLA配列は、富士通が開発した親指シフト配列をもとに日本語入力コンソーシアムが策定した配列のことをいう。この配列は、英文タイプライタの配列と互換性があり、なおかつ日本語の「かな」をタッチタイピング可能という点で、JIS配列よりもはるかに優れている。対してJIS配列は、英文タイプライタとの互換性は完全ではなく、そのうえ「かな」をタッチタイピングすることは非常に難しい。難点は二つ。第一に、記号類の処理のため右側にキーが増設されており、バックスペースや改行キーが遠い。第二に、「かな」が4段にわたって配列されているため、よほど手が大きい人でないかぎり、ホームポジションをキープすることができない。これからキーボードをマスターする諸君には、まず英文配列をマスターすることを勧める。英文をすらすらと打つことができるならば、日本語入力もローマ字入力でこなすことができる。そのうえで、余力があるならば、NICOLA配列も覚えるとよい。富士通製の親指シフトキーボードを購入すれば、Windows95,WindowsNTの両方で使用することができる(Windows95用キーボードドライバはフリーソフトウェアが存在する。WindowsNT用キーボードドライバは標準で用意されている)。Macintoshユーザーなら、リュウドのRboardを購入するとよい。いずれのキーボードも、ローマ字入力や英文入力も支障なくこなすことができる。なお、1997年夏現在、NICOLA配列は現在JIS(日本工業規格)として認められることが内定している。 古瀬幸広 Yukihiro Furuse 著者略歴 古瀬幸広 1960年奈良県生まれ。東京大学文学部卒業。在学中より評論活動を始め、卒業後フリー。文系理系の枠組を超えた学超的な批判に特色。 1986年『最新ワープロ大百科』を創刊(責任編集)するなど、ワープロ/パソコン関係の著作多数。現在は科学技術の社会的な評価を活動の中心におきながら幅広い著述活動を行っている。主な著書に『ネットワーカーズハンドブック』(翔泳社)『最新ワープロ用...